教わったことや本に書いてあることの受け売りではなく自らの体験の中で実感・納得できた原理・原則だけをまとめてみました
内容に関しては 財団法人少林寺拳法連盟 の正式な見解ではありません。 【サイト・オーナーへメールサイト・オーナーへメールする    
■ 第1部 第11話
明竜が昔所属していた支部で会報に連載していたエッセイを加筆再掲しました
■ 少林寺拳法には教え魔が多い?(その2)

「やってみせ、説いてみせ、させてみせ、誉めてやらねば人は動かじ。」
山本五十六元帥の言葉です。
これは、人に物事を教えるコツを言ったものです。

「やってみせ」
少林寺拳法の指導で言えば、技を掛けてみせることでしょう。
それも、「こう攻めるから、こう反撃する。」ではなく、最初は自由な攻撃に対し的確に対処するところを見せる必要があります。
これが出来れば、文句のつけようがないので、少林寺拳法の実戦性を理屈ではなしに理解してもらえます。
また、生の技のイメージが伝わります。例えば言葉だけで、Aさんはこんな顔をしている、と言われても、実際Aさんに会ったら想像と全然違う顔をしていた、という経験はありませんか。
また、写真で見ていた自然の風景が実際に現地に行ったら、「川のせせらぎ」「風の音」「虫の声」で想像していたよりはるかに臨場感があった、などという経験はありませんか。
技も同じで、特に一番最初にイメージを作る際には、視覚、聴覚、触覚などの五感に訴える方法で作り込む必要があります。
「説いてみせ」
五感で入ったイメージには、言葉が付いていません。そして感覚には見落としが付き物です。
よって、最も重要な原理のみを簡潔に伝えることで、技のイメージがより正確になるよう補足をします。
皆さんは、思うように体が動かなかった経験はありませんか。そんな時決まって、「頭では分かるのだけど。」と思います。
これは、人間は五感で入ったイメージの方が言葉より優先されるからです。言葉はあくまで補助としか使えない、と理解した方が良いでしょう。しかし反面、言葉はイメージを作り出す効果があることを押さえておきましょう。
「させてみせ、誉めてやらねば人は動かじ」
これは、プラス思考かマイナス思考かの問題です。
通常練習を重ねれば上達しますが、その上達した分を人に認めてもらえるのは、大変嬉しいことです。
嬉しければ練習も前向きになり、更なる上達も早くなるというものです。

とかく武道の世界では、ストイックなのが良いことだ、と思われがちですが、本来人間は「不快」より「快」を好みます。
同じ地点にたどり着けるなら、楽で早い方が良いと私は思います。
もっとも辛くて遅い方がありがたみがあって良い、というのなら、それは趣味の問題ですから、私はとやかく言うつもりはありません。
ただ、趣味の問題ですから、それを後輩や他人に押しつけるのも良くないと思います。

この五十六式3段階方法は実に的を得ていると思いますが、このやり方は自分がまず技が出来るというのが前提になります。
この前提が無いと、言葉でごまかすしかなく、やたらと説明の長い指導になってしまいます。
あらあら、ここでまた教え魔が登場してしまいましたね。

なぜ有段者になると黒帯を締めるか皆さん知っていますか。
これは「一人前のお墨付き」から来ています。
(女子柔道の田村亮子さんが言っていましたから間違いは無いと思います。)

黒帯を締めるからには「少林寺拳法の使い手一人前」のお墨付きに恥じないようになりたいですね。
そして技が出来るようになったら、ちょっと五十六の真似をしながら後輩の指導をしてみませんか。