教わったことや本に書いてあることの受け売りではなく自らの体験の中で実感・納得できた原理・原則だけをまとめてみました
内容に関しては 財団法人少林寺拳法連盟 の正式な見解ではありません。 【サイト・オーナーへメールサイト・オーナーへメールする    
■ 第2部 第3話
明竜が昔所属していた支部で会報に連載していたエッセイを加筆再掲しました
■ 当身に関する一考察(その1) −攻撃技と反撃技− 

少林寺拳法は護身術です。ということは防御反撃で成り立っています。
反対に空手は攻撃主体です。しかし攻撃技だろうが反撃技だろうが当て身を入れることに違いはありません。

では、攻撃用の当て身と反撃用の当て身はどう違うのでしょうか。
今回はその辺を掘り進めて考えてみたいと思います。

自分から攻撃をする際は、
相手のどこが狙い易いかを考えて目標を決め、
間合いとタイミングが合った時点でズドンです。

反対に反撃をする際には、
相手の動きに合わせ、
出てくる隙に対してズドンです。

コンピューターゲームで言えば、
攻撃の当て身はドッグファイトで相手を追い回し、
ロックオンとともに追尾ミサイルのボタンを押す感じに似ています。

反対に反撃の当て身は、
潜水艦のレーダーに敵の影が映ったら、
迎撃ミサイルのボタンを押す感じに似ています。

このように同じ当て身でも、
使う環境が違えば、そこに求められる能力も当然変わってくると思われます。
では次に、拳法においてそれら二つの当て身に必要な能力を考えてみましょう。

まずは攻撃用の当て身の場合。

乱捕りの際に、不意打ちでない限り、一撃で技が決まるということは、まずありません。
そこで大抵は、フェイントやコンビネーションを使って、相手に当て身を決めようとします。
しかし相手もかわしたり、ブロックしようとするので、
相手が追いつけないほどのスピードと、ブロックの上からでも効かすほどの破壊力が必要となります。
あるフルコンタクト空手家が言っていました。「速くて、強ければそれで良いんだよ」
この言葉から、その技術体系でスピードとパワーが重要視されたことが伺えます。

では、反撃用の当て身はどうでしょう。

反撃と言っても受けてから殴り返していては、余程のことがなければ、今度は相手に防御されてしまいます。
と言うことは、防御と同時に反撃が終了している必要があります。
そこでは「速さ」より「早さ」が要求されます。
また相手は突っ込んで来ますので、「破壊力」より「重さ」が必要とされます。
要するに反撃の当て身では、「早さ」と「重さ」がポイントになるということです。

拳法の場合「速さ」は当て身の最大スピードのことで、「早さ」は当て身のタイミングを指します。
ですから反撃の当て身ではグッと溜めてギュンと来るより、スッと拳が伸びてくる方が良いということです。
また「破壊力」はバーンという衝撃ですが、「重さ」はグッとくるものです。

これから考えると全身をバネにして当て身を行うより、
素早くてしかも当たった瞬間に体重が掛かっているような当て身の方が良いということです。

感覚的な言葉(ハッキリ言うと擬態音ですが)で恐縮ですが、攻撃用の当て身は「グッ・ギュン・バーン」なのに対し、
反撃用の当て身は「スッ・グッ」と言うことになりますね。

あっそうそう蹴りも理屈は一緒です。
皆さんで研究してみてはいかがでしょう。