教わったことや本に書いてあることの受け売りではなく自らの体験の中で実感・納得できた原理・原則だけをまとめてみました
内容に関しては 財団法人少林寺拳法連盟 の正式な見解ではありません。 【サイト・オーナーへメールサイト・オーナーへメールする    
■ 第2部 第5話
明竜が昔所属していた支部で会報に連載していたエッセイを加筆再掲しました
■ 受けに関する一考察 

前回、前々回は「当て身」について考えてみました。今回は「受け」について考えてみます。

反撃には「先の先」「対の先」「後の先」と三通りの方法があることは以前述べましたが、受けもそれらに対応して考えることが出来ます。
それでは今回も考え易い「後の先」からいってみますか。
「後の先」

後の先では「落とし」「受け流し」を使った受けが主体になります。
ここでのポイントは「角度処理」にあります。具体的に法形で見てみましょう。

中段返しでは、相手の廻し蹴りに触ったらバスケのドリブルのように落とします。このドリブルが「受け」です。
廻し蹴りは横の力には強いのですが、反面上下の力に対しては思いの外弱いものです、
ですから中段返しでは上から力を加えます。

「対の先」

対の先では、相手のミサイル発射ボタンが押された瞬間にターゲットをずらして威力を減殺しますが、
この時、受け手は早い段階から相手のミサイルに触れていくようにします。
触れた手がセンサーとなって無意識に必要最小限の体捌きをさせてくれます。

内受突を例に考えてみましょう。
内受突では、相手の逆突きに触れながら入り身を行います。この触る行為が「受け」です。
また対の先では後の先より大きな重心移動が行われ、空間的処理が重視されるのも対の先の「受け」の特徴です。
加えて言えば、突きが来ると分かったらなるべく早く触れに行くのが鉄則です。
引きつけてから受けるというのは間違った考え方です。
意外かもしれませんが乱捕りの中で試してみれば、すぐ実感できることです。

「先の先」

先の先は、相手がミサイルのスイッチを押すことが出来ない状態のままで、相手を抑えてしまう技術です。
「もう少しで叩けそう」「ほんのちょっと間合いが狂っている」と相手に感じさせる動きが先の先での「受け」なります。
手や足で相手の心・気・力を断つこともあるし、運歩で断つこともあります。

一般に「受け」というと、手なり足なりの接触で相手の攻撃を防ぐイメージがありますが、
今まで説明した「受け」には、このような物理的な「受け」だけでなく、
もっと広い意味での受けが含まれています。

「こんな受けなど聞いたことはない、ちょっと違うんでないの」と思われるかも知れません、
これは、人により「受け」という言葉に込められたイメージが違うために起きる問題です。
しかしこれらの「受け」無くしては「対の先」や「先の先」の技術は存在しません。

呼び方が違っても、これらの技術自体は昔から存在していたと見て間違いないでしょう。
既成の概念にとらわれることなく、「受け」というキーワードを使って少林寺拳法の技能の向上を目指しましょう。
因みにこの方法は他のキーワードにも応用できます。