教わったことや本に書いてあることの受け売りではなく自らの体験の中で実感・納得できた原理・原則だけをまとめてみました
内容に関しては 財団法人少林寺拳法連盟 の正式な見解ではありません。 【サイト・オーナーへメールサイト・オーナーへメールする    
■ 第2部 最終話
明竜が昔所属していた支部で会報に連載していたエッセイを加筆再掲しました
■ 拳法を生活に活かす −少林寺拳法は宝の山− 

人は神様ではないので、完璧と言うわけにはいきません。
誰しも人に勝るところを持ちながら、人より劣る点も多く持っているものです。

例えば、もし貴方が誰かと共同で何かをするとき、その人のマイナス面ばかり見つけ始めたらどうなりますか。
恐らくお互いが嫌な気持ちになり、協力関係など築けないと思います。
他人との良好な関係を築くときは、(マイナス面はマイナス面として正しく認識すべきですが)プラス面を積極的に見つけていくことが必要だと思います。

また、通常格闘技においては、人より強くなることを目的とします。
そのため同じ回し蹴りでも人より速く、人より重くとその特殊性に磨きを掛けます。
一方護身術である少林寺拳法では、どんなに速い回し蹴りでも、どんなに重い回し蹴りでも・・・と相手の動きの普遍性を捉えることに重きを置きます。
言い換えれば、相手のマイナス面を見つけだして対処しているといえます。
これは先程のプラス面を見つけて築く人間関係と、裏表の関係と考えることができます。

話は変わりますが、ここにコツコツタイプの花子さん、学者タイプの太郎さん、勉強は苦手だけれどクラスで人気者の次郎さんがいたとしましょう。
コツコツタイプの花子さんにアイデアを出させて、勉強の苦手な次郎さんに計画をさせ、学者タイプの太郎さんが実行しようとしたらどうなるでしょう。
おそらくつまらない企画といいかげんな計画、それに実行力のないリーダー・・・、そのプロジェクトの遂行はかなり難しいものとなるでしょう。

ここで3人の能力を向上させる解決策もありますが、時間が掛かるし、思うように力が伸びるとは限りません。
少林寺拳法の技の考え方は、何か新しい能力を身に付けようとするのではなく、
今持っている能力を、最も有効に使える組み合わせにして、相手を制するというものです。

ですからその考えを応用するならば、企画に太郎さん、計画に花子さん、実行に次郎さんと役割分担を換えるべきでしょう。
そうすれば太郎さんのグッド・アイデアを花子さんが緻密な計画に落とし込んで、行動派の次郎さんが実行することができるのではないでしょうか。

このように少林寺拳法で学んだ原理・原則は直接的に生活の知恵として活かせます。
むしろ積極的に日常生活に応用することによって生活をより充実させることが出来ます。
少林寺拳法は本当の格闘の中で生まれ、三千年の長い歴史の中で揉まれる過程で人間を研究し尽くし、技法が淘汰されたため、
人間の性質や行動の原理を応用した技ばかりで構成されています。
これは反対に、技や考え方の中に人間の性質や行動の原理が隠れている、と言えるのではないでしょうか。

少林寺拳法は、生きるための知恵が詰まった宝の山だ。
・・・と私は思うのです。