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■ 第5部 GUN日記
涙と笑いの体験記
■ 11月14日  直球返し

病気のことを周囲にどこまで言って良いのかは、ずっと悩みの種だった。いや今でも悩んでいる。
理解をもらうに越したことはない、が同情はもらいたくない。いや、同情をもらったほうが良いのだろうか。。。

仕事の関係で治療が遅れてはならない。よって上司には早々に包み隠さず話した。ただ、周りの人にどこまで話すべきかは、また別の話。正解かどうか分からないが、とりあえず考えたのは次の対応方法。
入院前は、ただ単に永年勤続のフレッシュアップ休暇とだけ言っておく。退院後は身体も動かず隠すことはできないだろうから、聞かれたら入院していたと言ってしまおう。
シンプルな戦術だった。

ただ、いざ実際に話をしてみると、人によってこちらの想定をはるかに超えた質問をしてくる人もいる。「どうされたのですか」「ええ、ちょっと手術をしまして」「そうですか、お大事に」ぐらいまでは想定内だったが、現実はそうさらりと済まないこともある。
「少林寺拳法の練習で怪我をされたのですか」こう聞かれると僕は本能的に否定をしてしまう。「いえ、病気です。病気でちょっと切ったので、動きづらくて・・・」病気と自ら言ってしまった。当然次の質問がくる。「え、病気って、おできか何かで?」「ええまあ、そうですね」「良性だったんですよね」おいおい、なんて答えたらいいんだ。
対応に迷いながら、一生懸命隠そうとしている自分がいることに気がついた。

仮にがんだっとして、それは僕が何か悪いことをしたのか?いや、そうではないと思う。
恥ずかしいことなのか?いや、一部の細胞内の遺伝子の異常が原因だから、恥ずべきことでもないだろう。
でもだったら正確にがんの可能性もあると言ったほうが良いのか?いやいや、それもこれ見よがしのような気がする。

今でもどう説明するのが正しいか分からない。それに実際、検査結果がでるまで、黒か白か僕も分からない。グレーゾーンの中でも、白いに近いグレーなのか、黒に近いグレーなのか・・・
本当に、なんとも説明のしようが無かった。

だが、答えが出なくても、会う人会う人から質問がくる。それだけ心配してくれる人がいて、うれしくもあるが、だんだんとこの気遣いも疲れてくる。やがてはあっさりと「腫瘍ができてしまったので、切除しました」と説明するようになっていた。さすがに直球を返すと向こうがどう言葉を継いで良いか分からないらしく、早々に会話が終わった。
皆さん、めんごめんご。。。